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虎枩童話-棘男(とげおとこ) - その2

公開日: 2008年8月26日火曜日 創作童話-虎枩話-棘男(とげおとこ)

私の高祖父に虎枩(とらまつ)さんという人がおりました。
以下は、私の祖父が虎枩さんから聞いたという設定で
作った創作話です。

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以前の話はこちら

つづきの話はこちら
棘男(とげおとこ) - その3
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じいちゃんは、ある哀れな一人の棘男の話を続けた。


儂はひょんなことから、一人の若者の面倒を見ることになった。

そう、物静かな男で、周囲に遠慮がちに振る舞っていた。
まるで、逃げる風のようだった。
周りに迷惑をかけてしまうことを避けるように、逃げていた。

しかし、本人がどう思っていたかは知らんが、
さして毒のある人間には思えなかった。

怯えている・・・そんな感じだったなぁ。

やがて、この若者が棘男であることを知った。

それはある日の、何気ない一日だった。
何がことの始まりかは知らなんだが
その男の目に棘があるのを見た。
その目は誰を見ている?
同輩か?いや先輩か?
あるいは両方か。
ともかくそのまなざしに棘があった。

やがて・・・

開いた口の中からも棘が少しずつ飛び出していった。
何か一言二言文句めいたことを言った後で、
男は何か言葉にならない声で叫んだようだった。
にわかに、男の体から二、三本の角が生えてきた。

それでわかった。

こやつは、身を守っているのだということが・・・
しかし、いったい何から身を守ろうとしているのか?

同輩や先輩はキョトンとした表情で男を見ていた・・・

しかし・・・

あわれなことに、同輩や先輩には
男の棘が何本か刺さったようだったし、
同輩には明らかに伸びた角が突き刺さっていた。

このことで、
彼らはやがてこの傷がもとで何かが起こるかもしれない。

もとより、棘男の棘や角は刺さったとしても
普通は何も感じないので、いまは何でもないだろう。
それはまた別の時に何かしらを招くかもしれない。

さて、
その日の夕方、流石に少しまずいと思った儂は
棘男を捜してつかまえた。

角は治まっていたようだが、
棘がまだ幾つか飛び出しておった。

まあ、儂は「棘払い」を習っておったからなんてことはなかったが、
不思議なことに、棘男自身に、自分の棘が刺さっていた。

自虐的?自暴自棄?とでもいうのか
こんなことを見るのは初めてだったので少々面食らった。

少し落ち着いて棘男を見てみると、あることに気づいた。
彼が、どうして身を守ることに過敏だったのかが。

それは、
棘男の胸元にあるものが刺さっていたのだ。



そのあるものは、
どす黒いかけらで、
かなり深くめり込んでいた。

しかも刺さってから大分年月がたったのか

ガラスのように黒光りしていた・・・

その棘男は、胸に深く刺さったガラスの様なかけらのために傷つくことに敏感となり、

さらに余計に傷つかないよう身を守ろうと、
余計に棘男になりやすくなったかのようだった。

しかし、実際には
身を守ろうして自ら発した棘で、自らを何度も傷つけるという不幸な状態でもあった。

さて、
この男にめり込んだ黒光りするかけら
そして自分に刺さった本人の発した棘をこのままにはしておけない。


男は泣きながら、
棘を発していた。

なんとも哀れで、
そして気の毒だった。







(つづく)



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